事業を相続継承した場合の未完成工事の取り扱いは?

相談内容

個人で工務店を経営している父が年末に亡くなりましたが、今年6月に完成予定の未成工事の物件があり、6月に3000万円入金予定です。 私が後継者として事業と工事を引継ぐ予定ですが、父は決 算申告を完成基準でやっていたため、この売上の扱いがわかりません。 どのようにしたら良いのでしょうか。 又、相続税に該当するのであれば、何か良い節税方法等はないでしょうか。


回答

お父さんが年末に亡くなったということ、お悔やみ申し上げます。
 
質問の内容を整理すると
① 相続する事業の未完成工事の取り扱い
② 相続税との関わり
ですね。
 
相続人については争いが無いという前提で説明します。
 
① 個人経営ということですから、お父さんが亡くなった時点で決算をして、亡くなった日から四ヶ月以内に準確定申告書を税務署に提出することが必要になります。
その場合の決算では、お尋ねの工事は完成していないということですから、亡くなった時までに支払った工事費用額は、資産科目に未完成工事支出金として計上し、もし前受金があれば、負債科目に未完成工事前受金として計上することになります。
 
そして貴方は、相続人の一人として、他の相続財産と合わせてその一部として、上記の決算書に記載した資産と負債を相続し、引き継いで経営を継続することになります。
 
お尋ねの工事については、6月の完成時点で貴方の事業収入として完成工事高(入金予定の3000万円と、もし前受金があった場合はその合計額)が発生し、上記の未完成工事支出金と相続後に負担した工事費用を合わせて工事原価として経費として処理します。
 
例) 未完成工事支出金 1,500万円
未完成工事前受金  500万円
相続後の工事費用  800万円
 
工事完成時点
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現   金        3,000万円          3,500万円  完成工事高
未完成工事前受金   500万円
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完成工事原価    2,300万円          1,500万円   未完成工事支出金
800万円   未完成工事支出金(相続後の工事費用)
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② については他の相続財産との関係、相続人の数や関係などによって様々想定されますので、申し訳ありませんが、 国税庁のタックスアンサー などを参考にしてください。
 
以上です。