公共施設等への販売を強化したいがアドバイスは?

相談内容

販売方法についてご相談致します。宜しくお願い申し上げます。
学校、公共体育施設等で使う体育用備品を製造、卸販売しております。現在、何らかの方法を使って直接販売できないか模索しておりますが、製品自体は、個人消費される物ではなく、税金で購入される物であるため、販売店と先生や担当者間で行われる売買が一般的のようです。
 
年々、施設側の備品購入予算も削られてきていますので、少しでも安く購入したいという前提と、自分のお金ではない、自分が使う物ではないという心理から、あまり他の製品と比べることもなく、安易に購入している状況もあるようです。
製品を比較検討・購入する際に、必ず全国の公共施設関係者が覧るインターネットサイトでもあればいいのですが、そのようなものもないようですし、いい方法がないかアドバイスいただきたく存じます。


回答

あなたの文書から、「個人消費されるものではないが公共だから買ってくれていた面がある」、「公共だから自分の金を使うわけではないから製品の質より予算との見合いだ」という主旨のことが伺えます。つまりそこには製品の質のことが余り重視されていなかったということです。
公共施設関係者を相手にしているからこそできた商売なのでしょうかね。
ところが、その世界も予算が削られ市場が細っているということが貴方の心配のようですね。
 
そこで提案ですが
 
① 今後も公共施設関係者を相手とする経営を続けるのか、それとも他の市場へのシフト(スポーツジム、個人消費者)は考えられないのか
② 体育用備品を製造、卸販売しているということですが、個人消費者にも購入意欲がもたれる製品への改良はできないのか
③ 製造、卸販売となっていますが、製造だけに、又は販売だけに特化する道はないのか
④ 体育用備品の製造という領域から、同じ体育用でも他の分野(別のスポーツ分野や、道具から体育衣料へ、または施設設計)へのシフトの可能性はないのか
⑤ 体育用備品製造の技術と設備と人材を活かして、体育以外の備品の製造へシフトする可能性はないのか
という点をこの際じっくり検討してみませんか。
 
できたら現場の職員や営業の職員も一堂に集まって意見を出し合ってみることも大切です。職員の中から色々と「出来ない理由」は出るでしょうが、それらをそのままにしないで、「もしやるとしたら何が障害か」というふうに前向きに具体的に検討することを期待します。「出来ない理由」を「できる状態」に変えるために工夫をすることが経営革新です。
 
それらを検討した結果、どうしても従来のとおり公共施設への販売を続けざるを得ないということになるのであれば、こまめに公共施設への営業を展開するしかないでしょう。
一般に公共施設はインターネットでページを開いていたり、紹介されていることが多いので、住所や電話番号などの収集は少し手間をかければできると思います。
ただし、他社との価格の比較などは容易ではないでしょう。「カカクコム」というサイトなどのように、サイト上で紹介されている商品の価格の比較をするサイトがありますが、公共用の購入に限った比較はないと思います。
 
また、販売店を通さずに公共施設へ直販して、「低価格」という強みを武器に、販路を開拓していく場合の問題点は、
 
① 価格を重要視する購入者がいる一方で価格を気にしない購入者も存在すること。
② 価格の強みをPRする場(比較サイトなど)が存在しないこと。
ということですね。

①の問題点への対応は
もし価格を武器にするのであれば、価格を重要視する顧客層に絞るしかありません。
その一方で、価格を気にしない購入者が何を重視するのかの調査を行い、それらの人々も取り込むための研究が必要かと思われます。
 
その上で、②の問題点への対応は
「低価格」を全面に打ち出した自社ウェブサイトを立ち上げ、製品・価格の紹介を行うとともに、Yahooやinfoseekなどの検索サイトへの登録を行うなど、検索結果の上位に食い込むような工夫が必要と思われます。
価格を気にする購入者は、一括して比較検討するサイトがなくとも、インターネットで個々の販売店のサイトを開いて価格を検索している可能性が高いのではないでしょうか。自社サイトの中で、他社の同様製品の価格などを問題のない範囲で掲載して、比較しやすくするという工夫も考えられます。
 
以上とりあえずの回答です。この際、貴社の経営方針の本質的な検討の機会とされることを期待します。


回答を送信後、相談者の方から以下のメールが届きました。
 
早速のご回答を頂戴し、厚く御礼申し上げます。
藤島様の「貴社の経営方針の本質的な検討の機会とされることを期待します」のとおり、早速取り組んでみようと思います。
第三者からのアドバイスをいただいたことで、頭の中が整理出来つつあるように思います。誠にありがとうございました。
藤島様の今後益々のご活躍をご祈念申し上げます。