取締役工場長の保険や税金上の取扱を、どうすればよいか?

相談内容

先日、工場長から取締役工場長に昇格をした者がいまして、手当として新たに「役員報酬」を支給することになりました。これは、労働の対価扱いではないそうです。
その場合、「役員報酬」の取扱として、普通の給与と同じように処理をして、健康保険・厚生年金を算定する際にも「役員報酬」を含めた金額でよろしいのでしょうか?
それとも、給与とは別にした扱いを取らないとならないのでしょうか?別にする時には、どのようにすればいいのでしょうか?所得税も「役員報酬」分だけ乙欄対象になるのでしょうか?
初めてのことで分かりませんで、ご相談のメールをさせていただきました。宜しくお願い申し上げます。


回答

さて、お尋ねの件、当該「取締役工場長」は通常の労働の対価に対する給与部分と役員報酬部分とを分けて考えなければならない場合とそうでない場合があります。
 
① 健康保険や厚生年金は経営者も加入できる制度ですから、算定する際は合計で算定します。
 
② 労災保険や雇用保険は経営者は原則加入できないから、算定においては給与部分のみが算定の対象になります。
 
③ 従って労災事故の場合の休業補償や失業した場合の雇用保険の給付の場合の計算の基礎となるのは給与部分のみで役員報酬部分を除いて計算します。
 
④ なお、役員でありながら労災保険や雇用保険に加入できるためには職業安定所に「従業員兼務役員」としての届出をしておく必要があります。
 
⑤ 所得税の計算では合計で通常の甲欄を参考に計算します。
 
以上です。