手形の発効日以前の日付で裏書が可能でしょうか?

相談内容

11月28日に入金予定だった手形を12月2日に受け取りました。廻し手形でしたが、そのうち1枚が振出日が12月1日のものでした。この手形を11月中の売掛回収として扱うことは出来るのでしょうか。
 
また、この手形を裏書するときに同じく11月中に買掛金を支払ったという扱いにしたいため裏書日を11月28日としたいのですが、この取り扱いも無理でしょうか?
教えてください。


回答

まず、このような経理上の操作が貴社の関係先にどのような影響を及ぼすのかは当社としては知りえないという前提でお答えさせていただきます。
また、裏書日が振出日より前であるような手形は、銀行が割引にも取立てにも応じません。手形交換所に渡った時に日付の訂正を求められか、無効扱いとされます。
 
そのことを踏まえた上で、お答えいたします。
 
貴社の売掛債権または、仕入債務がいつ消滅するのかは、一般に、発行する又は受け取る領収証の日付で証明されことになりますが、その裏づけとなる金銭の授受又は手形の授受があることが前提となります。
その手形については形式的な振出日や裏書日ではなく、実際の授受による日とするのが普通ではないでしょうか。そうでなければ、如何なる理由があるのかは分かりませんが、当事者間の同意があったとしても最終的に金銭にならない手形を授受するというのは正常ではありませんし、裏書して廻す相手が同意するとは思えません。仮に相手の同意のないままに廻された手形は、後に偽計行為として処罰の対象となりかねません。
 
以上です