共同経営の株主の株式を買取りたいがその評価は?
相談内容
経営に対する意見の相違で、共同経営を解消することにしました。出資は50%、50%です。会社は、二人だけです。共同経営解消にあたり、私が、共同経営者の株式をすべて買い取ることにしました。
税理士に買い取り額をたずねたところ、共同経営者の出資額の約、倍の金額になるとのこと。確かに、前期までは、黒字経営でしたが、今期は、大幅な赤字です。にも係わらず、出資額の倍の金額とは納得できません。共同経営者が会社を離れるにあたり、新しく会社を設立する資金もこちらで持つ約束をしています。この上、零細企業の株式を出資額の倍も支払う必要があるのでしょうか?今期の決算が確定すれば、大幅な赤字のはずですので、その場合は、株式の評価額は下がるのでしょうか?株式買い取りのタイミングで、評価額が下がるのであればそのようにしたいのですが・・。
回答
貴方の相談内容をまとめてみると
①株式を買取るときの価格は直近の決算を基に株価を算出するのか
ということになります。
会社法144条(売買価格の決定)の第3項で
「裁判所は前項の決定(株式の売買価格の決定)をするには、譲渡等承認請求時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければなせない」となっています。
つまり株式評価の基準は売買意思の決定時の株式価値を基準とするということです。
この場合、株式を買取ると決めた時点は前期の決算以後のようですから。決めた時点の御社の資産から負債を控除した残り、つまり売買を決定した時点での純資産額を発行株式数で割った金額が一株の売買価格の基準となります。したがって前期の決算を基準とする必要はありません。
したがって、便宜的に直近の月の試算表による計算による方法もありますし、売買意思決定日の資産、負債を正確に再計算して計算する方法もあるでしょう。
後はその基準額を基に話し合いで決めてください。