会社の名目代表として勝手に解任されようとしている
相談内容
はじめまして、私はÅ社の代表取締役をしております。俗に言う雇われ社長です。ある上場会社から外れるにあたり、その会社の社長に就任しましたが、B社(ジャスダック市場)のC会長に名前だけ貸してくれ、資金繰りはこちらで全てすると騙され、付き合いの関係からも応諾しました。
しかし、実際には役員報酬は、業績が悪いとの理由で、6ヶ月で80万弱しか払われず、資金がキャッシュアウトするとなると、個人名義で貸付を無理強いをさせられ、現在は200万程の残高が残っております。
出金や預金管理等の事務関係は、関連の事務代行業者に業務委託をしており、資金関係はCの指示にて全て動かされています。
ここ10月に来て、昨年9月に閉店した店舗の保証金の返還金が600万程、入ると判ると「もうおまえは必要ない」「去ってくれ」と怒鳴られ、代表を辞任させられる動きになっております。9月、10月は報酬は0で動いている状況です。
CはA社の役員には入っておりません、Aの持ち株会社として、株式会社Sがありますが(100%A株式保有)、休眠会社で、すべて私個人が100%株式を保有しております。
このような場合、どのような対抗要件があるのか、ご教授願いませんでしょうか?非常に複雑な事案ですので、どこに相談をしてよいのか、わかりません。何卒宜しくお願い致します。
回答
回答の前提として、「Aの持ち株会社として、株式会社Sがありますが(100%A株式保有)、休眠会社で、すべて私個人が100%株式を保有しております。」という部分を、貴方が持株会社Sの株式の100%を保有しているということと理解します。
そうすると、どのような事情かは別にして、貴方がS社の株式の100%を保有し、しかもS社がA社の株式を100%保有していること、しかも貴方がA社の代表取締役であるということは、
① 貴方は、自分で辞任しない限り誰も貴方を解任できません。代表者に留まって以下のことをすべきです。
② A社の事業及び資産の管理に関しては貴方に権利があります。「出金や預金管理等の事務関係は、関連の事務代行業者に業務委託をしており」となっていますが、貴方の指示ですぐにその関係を解消して、貴方の管理下におくべきです。
③ 店舗の保証金を、元々誰が負担したのかに関係なく、その返還がA社に対して行われるのでしょうから、貴方がその管理をする権利があります。
④ 貸付金や役員報酬については、貴方の判断で貴方に返済、若しくは支払をすればよいことです。(もちろん資金的裏づけがあることが前提ですが)
ただし、C会長は簡単には資金管理の権限を貴方に渡さないでしょう。しかしA社名義の預貯金や事業における資産負債の管理をA社代表者の知らない中で行うのは違法です。きっと代表印も無断使用していることでしょう。
したがって正常な関係に戻すべく交渉し、交渉が不調の場合は訴訟することになると思います。その場合は速やかに弁護士に相談してください。
相談に行くときには、今回の事情の経緯を時系列的に整理したものと、各関係会社の登記簿謄本(登記事項証明書)をそろえて関係図にまとめると相談がし易いと思います。
ところで、最初に回答の前提と断わった部分が違っていて、S社がA社を支配しC会長がS社を実質的に支配している場合は休眠かどうかに係わらず話が変わってきます。その場合は貴方の立場はただ利用されただけとなります。
しかし、その場合でも、貴方をA社の代表取締役にした経緯や貸付をさせた経緯がC会長の悪意(詐欺又は脅迫等)によるものであることが証明される場合には、刑事告訴と貸付金の返還を求める民事訴訟の可能性もあるでしょう。この場合も速やかに弁護士に相談することです。
文面からは以上の回答となります。
以上です。